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やっぱね、溜め込むのは良くないよ
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まるで近距離恋愛だな、そういって君は、あの優しい顔で笑った。
同じ都内の大学。それでも、俺と大石の大学じゃ最寄り駅も使う路線も違う。
学校帰りに30分で寄れた大石の家に、俺はどれだけの時間行ってないんだろう。


「ったく……何でこんなに坂ばっかなんだよー」


通いなれていたはずの道。今となっては、最後にいつここを歩いたのかも思い出せないほどで。
俺もまたこの道を歩くことになるとは思っていなかったのだけれど、何でも久しぶりにおチビがアメリカから帰ってくるとかで、暇な当時のレギュラー陣は(半ば強制的ではあるが)数年ぶりにあのコートに呼ばれたのだ。
不二からの連絡によれば、店の手伝いで忙しいタカさんとドイツにいる手塚は欠席。意外にも海堂はちゃんと来る予定だという。そしてまたまた意外なことに、大石は欠席らしい。後で問い詰めたら、大学が忙しくてどうしても行けそうにないんだ、と苦笑された。多分一番寂しいのは大石だから、怒りはしなかったのだけれど。多分そんなところでも、俺は成長しているんだろうな、なんて。あの頃だったら、きっと喚き散らしていた。


「…………」


足が止まる。二股に分かれた道。
今俺が歩いていた道が、自宅への道。
向こうが、大石の家への道。
坂を上りきったこの場所が、俺は嫌いだった。


( 絶対振り返ってくれないんだもんなぁ…… )


重いテニスバッグを背負った帰り道。繋いでいた手を、いつもここで離した。
名残惜しくて俺は何度も振り返ったけど、大石が振り返ったことは1度も無くて
きっと、振り返ったら俺が追いかけてくるのを知っていたからだと思うけど


( 寂しかった、のに )


誰もいない道を、静かに見詰める。
ひとりで坂を上って、あの時と同じように


( ……いない、んだ )


恋しい、と


ポケットの中から携帯電話を取り出して、何も考えずに発信した。
忙しいのも、きっと授業中であろうことも、俺の知ったことじゃない
ねぇ、どうして 君はここにいないの?


「ッ、英二?ごめん、今は――」
「おーいし」
「英二?」


声が、震える。
優しい大石が、電話を切れないようにするなんて 俺は卑怯だ


「いないんだ」
「え?」
「大石が、いないんだよ」


別々の道を歩むなんて、出来ないよ
君は俺の隣にいてくれなきゃ、嫌だ。


「ねぇ……逢いたいよ」



どうして、ここにいてくれないの?

+ + + + + + + + + +


ボカロ曲の夕日坂を聴いてたら書きたくなって1本。
本当はもっと長い大菊大学話が書きたいんですけどね。若干使い古されたネタではあるけど。
あー。テニスで本作りたいなぁ。


わたしはやっぱりみゅよりアニメ派です。
世界のTK可愛いよTK
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