「おーいし、好きだよ」
「……英二?」
「すき、すっげぇ好きなの」
みんなが帰った部室
誰もいないそこで、俺は蝋燭の火のように頼りない灯りを求め、ゆるりと大石を抱きしめた。
背中越し、表情は見えない。それでも彼は、俺の心の震えに気付いてしまう。
大石は部誌を書いていた手を止めると、そっと俺の手のひらに触れた。
「どうしたんだよ、急に」
「何かね、すきだな、って思ったんだ」
俺たちは、まだ幼すぎて
こうやって触れ合うだけで幸せで、一緒にいるときが一番うれしくて、君の笑顔を見る時が、一番楽しい。
これ以上どうしたら幸せになれるのか、どうしたら好きになれるのか、不安で、うれしくて。時々、自分がわからなくなる。
ねぇ、好きだよ 大石。好きなんだ。どうしたら、この気持ちを全て君に伝えられる?
「俺も好きだよ」
「……おーいし」
「英二?」
「おーいし、大石」
君の名前を呼ぶことしか、俺には出来ない。
君の名前を呼んで、好きだと伝えることしか、俺には出来ない。
ねえ、それじゃあ駄目なんだ。それじゃあ足りない。好きじゃ、伝わらない。
大石、好きなんだ。誰よりも、何よりも、ずっとずっと大好きなんだ。
「好きなんだよ……」
大石に縋るように、シャツを握りしめる。
いつか、いつか君に、この気持ち全てを伝えられる日が来るまで
ねえ、お願い。君も俺を、好きでいて。
「……英二?」
「すき、すっげぇ好きなの」
みんなが帰った部室
誰もいないそこで、俺は蝋燭の火のように頼りない灯りを求め、ゆるりと大石を抱きしめた。
背中越し、表情は見えない。それでも彼は、俺の心の震えに気付いてしまう。
大石は部誌を書いていた手を止めると、そっと俺の手のひらに触れた。
「どうしたんだよ、急に」
「何かね、すきだな、って思ったんだ」
俺たちは、まだ幼すぎて
こうやって触れ合うだけで幸せで、一緒にいるときが一番うれしくて、君の笑顔を見る時が、一番楽しい。
これ以上どうしたら幸せになれるのか、どうしたら好きになれるのか、不安で、うれしくて。時々、自分がわからなくなる。
ねぇ、好きだよ 大石。好きなんだ。どうしたら、この気持ちを全て君に伝えられる?
「俺も好きだよ」
「……おーいし」
「英二?」
「おーいし、大石」
君の名前を呼ぶことしか、俺には出来ない。
君の名前を呼んで、好きだと伝えることしか、俺には出来ない。
ねえ、それじゃあ駄目なんだ。それじゃあ足りない。好きじゃ、伝わらない。
大石、好きなんだ。誰よりも、何よりも、ずっとずっと大好きなんだ。
「好きなんだよ……」
大石に縋るように、シャツを握りしめる。
いつか、いつか君に、この気持ち全てを伝えられる日が来るまで
ねえ、お願い。君も俺を、好きでいて。